“球界最強”の同級生に「負けないように」 肘の手術から復帰したオリ右腕の誓い

何歩も先を進む同級生・山本由伸「すごいところまで行っているので…」

 マウンドに上がった時、必ず意識しているのは「バランスとリズム。そしてライン(投げる方向性)ですね」。結果が良くても悪くても、毎試合、投げ終わると自分の映像を見直して修正点をチェック。キャッチボールで微修正を加え、ブルペン練習で確認し、次の試合に臨む。地道な作業が何よりも大切だということは、リハビリ期間中に実感している。

 チームは現在、優勝争いの真っ只中。好調な先発ローテーションを牽引するのは、今や不動のエースに成長した山本だ。リハビリ中に刺激を受けた同級生は、今夏の東京五輪では侍ジャパンの金メダル獲得にも貢献。山崎は「意識するというか、山本はすごいところまで行っているので……」と苦笑いしたが、すぐに本心を覗かせた。

「でも、負けないように、自分もチームや監督、コーチに信頼されるピッチャーになれるように頑張ります。そのためには、まず(打者を)抑えること。結果が全てなので。結果を出すために準備を重ねるのみ。頑張ります」

 少し遠回りをしたかもしれないが、まだ23歳。190センチの長身右腕が、この先どう成長するのか。若手好投手がひしめくオリックスで、面白い存在になりそうだ。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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