大谷翔平が大活躍できるいくつもの理由 “マンダラ”考案者・原田隆史氏の指摘

愛情注がれ「心のコップ」が上向き―素直さが成長の源

 精神面の特性も、大谷の成長理由に挙がる。原田氏は「本当に素直なのが一番ですよ」と言う。「心のコップ理論」と呼ぶ考え方だ。「コップが下を向いていると水を注げない=人の話を受け入れることができませんが、一方で上を向いていれば素直に聞けるんです」。なぜ上を向けているかといえば、幼いころからの教育で愛情をたっぷり注がれ“自己肯定感”が高いためだという。「言い換えれば『自分好き』です。日本人が弱いとされる部分ですよ」

 変われない人にはいくつかの理由がある、夢や目標を描いていないのか、そこに至るまでの行動を設定できないのか、そして継続できないのか、または振り返りできないか。原田氏の分析によれば「この4つの切り口のどこかで詰まっているんですよ」。一番多いのは継続できていないケースだが、どう続けるかは親や指導者といったリーダーの腕の見せ所だ。

「一番いいのはマンツーマン。自分の行動について一人ずつ専門家がついて、やらせ切ってくれることです」

 大谷はそこで、絆にも恵まれた。大谷と野球部員が書いたマンダラで、大谷は他の選手の支援者にも選ばれている。自分の行動にプラスして、他人の行動の責任者にもなっており「一肌脱いでいるんです」。教えあい、高めあうことで、さらに高みを目指せるようになった。花巻東高が継続して強さを発揮している理由の1つでもあるだろう。

 肉体だけでも、心だけでもダメだった。原田氏は「人としての感謝があるので、ますます魂が入った。幼いころからの教育のたまものだと思います。身体能力もサラブレッド。そこに家族の愛情が入り、佐々木監督と言う人格者との出会いによって、覚醒したんじゃないんですかね」。常識をぶち破る活躍には、全て理由がある。

□原田隆史(はらだ・たかし)1960年8月13日、大阪市阿倍野区生まれ。奈良教育大を卒業後、大阪市内の中学校に保健体育教師として赴任、松虫中陸上部では生徒を13回の日本一に導く。教職を辞した後の2003年に原田教育研究所を設立。ユニクロを始めとした国内500社、約10万人の社員教育に関わる。不登校児がネットで学ぶ「クラスジャパン小中学園」校長、ビジネス・ブレークスルー大学教授、三重県教育政策アドバイザーなどを務め、現在も教育の第一線に立つ。原田教育研究所の公式Webサイトはhttps://harada-educate.jp/

あなたも“大谷マンダラ”を作ってみよう!! 原型となったメソッド「オープンウインドウ64」についてのセミナーが10月に行われる。部活動のあるお子さんも参加しやすい日程で用意。今だけお得に参加出来るので、ぜひチャレンジしてほしい。

①2021年10月9日(土)午前9時~10時30分(90分)
②2021年10月18日(月)午後7時30分~9時(90分)
詳しい内容、お申込みは以下のサイトまで
https://growith-harada.com/ow64

(羽鳥慶太 / Keita Hatori)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY