大谷翔平は「自分らしくやり続けて」 元ヤ軍名将トーリ氏が贈る来季への助言とは?
元ヤ軍監督のトーリ氏が大谷の監督だったら…「あまり自分に重圧をかけすぎないように」
ヤンキースなどで監督通算2326勝を挙げたジョー・トーリ氏が、エンゼルス・大谷翔平投手を語り尽くした。レッドソックス、ヤンキースのワイルドカードゲームが行われたフェンウェイ・パークを訪問。今季のMVP最有力候補に挙がる活躍を見せた大谷について、「とても驚異的だった。残念ながら直接見たことはないが、かなりの試合を見たよ。非常にスムーズで、野球における、あらゆる側面で優れている。『世代に1人』などと言われるが、私はそれ以上だと思う」と賛辞の言葉を並べた。
大谷は開幕から投打の二刀流でフル回転。登板日前後の休養日を撤廃し、9勝&46発と爆発的な活躍を見せた。トーリ氏も「予想もしてなかった」という活躍ぶりだったという。
「これだけの能力を持ち、それを1年通して維持できるというのは間違いなく驚くべきことだ。チームはポストシーズンに進出できなかったが、私の知る限り、球界の他の誰よりも注目を集めている」
今季のMVP争いについても言及。ア・リーグでは打撃2冠王のロイヤルズ・ペレス、ブルージェイズ・ゲレーロJr.も堂々の数字を叩き出した。それでも、トーリ氏に迷いはない。「私は彼に投票するよ。投票権はないけどね。選手として望むべく全てのこと、それ以上のことをやった。投打両方をこなし、投手としては、ただの投手ではなく支配的な投手だ。100年に1度のことかもしれない」。
もし、トーリ氏が大谷の監督だったら……。稀代の名将はマドン監督の起用法を尊重した。「マドンは非常にいい仕事をしていると思うよ。私なら怪我させたくないから気を使うだろうね。でもマドンの下で、数字が物語っているよね」。そして、大谷に向けて、こうアドバイスを送った。
「今年したことを繰り返すのは難しいことだ。『MVPを取った。タイトルを取った。よし、来年もう1度取るぞ!』と思うのではなく、自分らしくやり続けてほしい。そうすれば能力を発揮できるだろう。あまり自分自身にプレッシャーをかけすぎないようにしてほしい」
大谷が大谷らしくあれば……。1990年代からヤンキースの黄金時代を築き上げた名将は、二刀流・大谷へ温かい視線を送っていく。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)