河川敷の高架下で“壁当て”も… 台湾プロ野球デビューへ、元阪神の29歳右腕の覚悟
日本で活躍する先輩投手から届いたアドバイス「1球1球丁寧に投げろよ」
「1軍登録されて、久しぶりにお客さんが入ったナイターに身を置き、やっぱりこの環境っていいなって。いろいろな人のおかげで野球ができている状況なので、しっかりやらないといけない。僕の中でかなり状態良くできているので、マウンドでは自信があるピッチングをお見せすることができます」
早くマウンドに上がりたい気持ちは高まるばかり。外国人枠の問題もある中で1軍定着を勝ち取るため、「最初の登板でしっかりしたピッチングを見せたいし、見せる自信もある。そこが勝負どころだと思います」と力を込める。
ようやくチャンスを掴んだことを、日本で活躍する先輩に連絡した。すると「1球1球丁寧に投げろよ」というアドバイスが届いたという。その先輩とは、ロッテの守護神・益田直也だ。
「1球1球を適当に投げるんじゃなくて、自問自答しながら、本当にその球種でいいのか、どのコースに投げるのか、ちゃんと考えて後悔のない球を投げていけよ、と。本当にその通り。すごくいい言葉をいただいたと思っています。僕が次に投げる試合、つまり1軍で初めて投げる試合は重要。1球1球が周りの評価はもちろん、今後を決める球になると思っているので、後悔しないようなボールを投げたいと思います」
8日に1軍に合流すると、まずは元阪神の林威助監督とGMに野球を続けるチャンス、そして1軍に定着するチャンスを与えてくれたことに対して感謝の気持ちを伝えた。「このチームでプレーできることを誇りに思います。いいパフォーマンスをして恩返しではないけれど、感謝の気持ちを見せていきたいです」。
みんなが繋いでくれた野球人生。近く訪れるであろうデビューのマウンドでは、感謝の気持ちを込めて全力を尽くす。
(佐藤直子 / Naoko Sato)