女子小学生だけの全国大会は「特別な時間」 NPBが信じる“環境を変える力”とは?

直面する課題は中学・高校の受け皿の少なさ

 しかし、女子野球には「受け皿不足」という大きな問題がある。小学生では男子に混じってプレーしていても、中学生や高校生になると地元にチームがない。親元を離れて他の地域で野球を続けるのは難しく、ソフトボールなど他の競技に転向する女子は多い。

「ガールズトーナメント」は来年で10年を迎える(2020年はコロナ禍の影響で大会は中止)。主催するNPBは大会には女子野球の環境を変える力があると信じ、将来を描いている。

「環境を少しでも変えて、女子選手が“普通”に野球ができるようになればいいなと思っています。将来、親から子へ、子から孫へ野球という文化が男女問わずに継承され、野球をプレーするだけではなく、観戦者や応援する人ら携わるすべての人たちが、野球から感動や楽しさ、悔しさ、飛び切りの笑顔、涙など、多くのことを学ぶことによって、豊かな人生を送ってもらえたらうれしい限りです」

 中国には、こんな格言がある。「10年偉大なり。20年畏るべし。30年歴史になる」。続けることは大変だが、理想に近づけるはずだ。

(First-Pitch編集部)

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