田中将大に“9億円”の価値はある? わずか4勝でもデータに表れる高い貢献度

リーグ5位となる16回のQS達成も、白星が付いたのはわずか3度だけ

 2013年の指標と比較して見ると、奪三振割合を示す「K%」は22.3%から19.7%、四球割合を示す「BB%」は3.9%から4.5%と大きな変化はない。被打率も2013年の.218に対して今季は.225、WHIPも0.94に対して1.01と僅かな違いだ。ただ1つ、2012年や2013年から大きく悪化している指標といえば、9イニングを投げて打たれる本塁打の割合を示す「HR/9」が0.25(2013年)から1.01となっていることか。

 2013年当時とは、統一球問題もあり、使用されるボールも現在とは違いがある。その中で被本塁打が増えているとはいえ、6回3自責点以内で抑えた田中将のクオリティスタート(QS)は16回で、これはチームトップ、リーグで5番目の多さ。7回2自責点以内のハイクオリティスタート(HQS)も10回を数え、リーグで4番目の多さにある。QS率100%だった2013年ほどではないにしろ、田中将の今季の投球内容はリーグでも指折りの安定度を誇っていたのだ。

 田中将は今季QSを達成した16試合で白星を掴んだのはわずか3勝だけ。HQSを達成した10試合では1勝しかできていない。2013年は援護率が6.22点だったものの、今季はたった2.32点だけ。味方打線が4点以上奪った試合はわずか4試合しかない。無失点だった試合は1試合しかないものの、試合を作るという意味では十分に先発としての役割を果たしている。味方打線の援護の少なさが、田中将のここまでの4勝という数字に大きな影響を及ぼしていると言えるだろう。

 年俸9億円という大型契約で日本球界に復帰した田中将大。確かに4勝という勝ち星だけを見れば、“高すぎる”と感じられなくもない。ただ、詳細な数字を見れば、今季もリーグでも屈指の安定感を誇っている。2013年ほどではないものの、やはり田中将大は好投手であることに間違いはないようだ。

(Full-Count編集部)

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