米殿堂入り右腕の「唯一消し去りたい汚点」 伝説の“コーチ投げ飛ばし事件”を懺悔
2003年ALCS第3戦でレ軍マルティネスはヤ軍ジマーコーチを投げ飛ばした
メジャー通算219勝を挙げ、2015年に米野球殿堂入りしたペドロ・マルティネス氏が現役時代を回顧。レッドソックス在籍時の2003年、ヤンキースとのア・リーグ優勝決定シリーズで起きた乱闘劇を振り返り、当時ヤンキースのコーチだったドン・ジマー氏を投げ飛ばしたことについて「自分のキャリアで唯一消し去りたい汚点」などと述べた。ニューヨークの地元放送局「SNY」は「ペドロ・マルティネスは2003年のア・リーグ優勝決定シリーズでドン・ジマーを投げ捨てたことを後悔している。元レッドソックスのエースが初めて打ち明ける」の見出しで伝えている。
マルティネス氏は2003年10月11日、ヤンキースとのア・リーグ優勝決定シリーズ第3戦に先発。4回にカリーム・ガルシアの肩に死球を当てたことが乱闘の伏線になった。米スポーツ専門メディア「ブリーチャー・レポート」内のTV番組「アントールド・ストーリーズ」に出演したマルティネス氏は「ジマーが不服を唱えていた。彼ら(ヤンキース)は騒ぎ始めていたんだ。私は投球を続けて、後続を打ち取った。しかしガルシアが二塁に走った際、(スライディングで)二塁手を危ない目に遭わせた。私は『何を考えているんだ』と言ったよ。『試合は3-2だったし、誰がボールを打者にぶつけたいと思うだろうか? クレイジーなのか?』とね。そうしたら(ダグアウトにいたヤンキースの捕手)ポサダとジマーが登場したんだ」と語った。
そして、その裏、ヤンキースの先発ロジャー・クレメンスがレッドソックスの主砲マニー・ラミレスの顔付近にボールを投げたことで、両軍による乱闘が“勃発”。マルティネス氏は、詰め寄ってきたジマー氏の頭部を掴んで投げ飛ばした。トイレから戻って乱闘に加わったというマルティネス氏は「状況を理解しようとしていた時、ジマーが私の方に突っ込んできたから、私は『何だ?』という感じだった。彼はこっちに向かって来て汚い言葉を浴びせてきたんだ。彼は私に手を出そうとしていたから、私が彼を掴んだかのように見えてしまったのだろう。あれこそが自分のキャリアの中で唯一消し去りたい汚点だよ。あれを上回る嫌な気分は、私の人生で他にない」と述べている。