少年野球の指導動画、本当に正しいの? “パパコーチ”が知りたい情報の見極め方

指導動画についての課題について考える【写真:Getty Images】
指導動画についての課題について考える【写真:Getty Images】

取材を通じて見えた現場指導者の実態を検証

 子どもたちがうまくなってほしい……。少年野球の指導に携わる人なら誰もが動画投稿サイト「YouTube」などで動画を探したことがあると思います。その動画、果たして正しい指導法ですか? 取材の中で聞こえてきた現場の疑問を紹介し、解決する『First-Pitchコーチ』では今回、指導動画についての課題について考えていきたいと思います。

 ある少年野球チームで「ボールは下からカチ上げるように打つんだ! これはフライボール革命と言って、本塁打を打つためにやらなきゃいけないんだ」と指導をしているお父さんを見かけました。

 聞くところによると、YouTube上にあった動画を見て、子どもたちにそういう指導をするようになったそうです。

 フライボール革命とは「フライを打ち上げる方が、よりヒットの確率が上がる」という考え方です。MLBで「スタットキャスト」と呼ばれるボールの打球角度や速度を数値化するシステムが2015年から導入され、いち早くチームとして取り入れたアストロズが、ワールドシリーズを制覇したことからメジャーで広まっていきました。一方で、年間の三振数が増えるなどマイナス要素も懸念されています。

 今回、そのお父さんが見たとされる動画をYouTubeで視聴しましたが、出演者が自らの感覚を語るものでした。これは理論ではなくて、持論になるのかなと考えます。

 プロ野球選手がYouTubeで技術を紹介するケースも増えました。さすがはプロです。多くの方々がご自身の理論のもと、感覚で取り組んできたことを言語化したり、細かく身振り手振りで説明しています。理論と持論を分けて話すケースが多いです。

プロ野球選手の指導動画には「理論」が存在するものが多い

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