がんから復活果たした大リーガーの告白…人知れず再発の恐怖と戦った2週間
がん患者に知ってほしいと、事実公表の道を選ぶ
がんからの復帰を果たした大リーガーが、シーズン中にひそかに向き合った“再発の恐怖”との闘いを赤裸々に語っている。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」が、「なぜマンシーニは6月に2週間も『パニックに陥った』のか――そしてなぜ彼はそれを元がん患者に知ってほしいのか」と題した記事で伝えている。
主人公はオリオールズのトレイ・マンシーニ外野手だ。2020年のキャンプが行われていた3月に、結腸がんで手術を受けたことを公表した。同年は全休したものの今季は戦列に復帰、147試合で打率.255、21本塁打の成績を残した。大谷翔平投手も出場した球宴本塁打競争では決勝進出し、メッツのアロンソに敗れたものの2位。一見、順調な過程を歩んだように見える。
ただ記事は、シーズン中にマンシーニが様々な恐怖、葛藤と戦っていたと伝えている。マンシーニの結腸がんはステージ3だった。6か月の化学療法を経て復帰し「他のがんと闘う人たちの手本になろう」と決意してのシーズンだった。ただその中で、主治医や恋人、監督、両親しか知らない出来事があった。6月に、がん再発の恐怖と向き合っていたのだ。
血液検査で、がんの指標となり得るたんぱく質の上昇が見つかった。これが再発なのかどうかを見極める検査の過程で、マンシーニは不吉な感情に打ちのめされ「パニックに陥ったよ」と振り返っている。