プロ15年間で掴んだフォームを伝授 元楽天右腕が考えるボールに力を伝える方法

「大きな怪我につながらないように、シンプルな投げ方を教えています」

 力に頼らないバランスの取れた投球フォームは球速や制球力を上げるだけではなく、怪我の予防にもつながると考えている。自身はシーズンをリハビリに費やすような大きな怪我こそなかったが、膝や脇腹などの故障で戦列を離れることがあった。その経験からも、体に負担がかからない投球フォームの大切さを実感している。

「投げる動作は関節に対して非日常の動きなので、すごく大きな負担がかかります。速いボールを投げる有望な選手が怪我をして野手に転向したり、早くに引退したりするのを見てきて、もったいないと感じていました」

 特に、骨ができあがっていないジュニア世代には、バランスを考えた投球フォームの必要性を説く。関節が外れたり、骨が変形したりするリスクを指摘し「将来、大きな怪我につながらないように、なるべくシンプルな投げ方を教えています。基礎的なことを覚えてもらって、そこからアレンジして、自分に合った方法を見つけてもらえればと思っています」と語る。そして、自戒の念を込めて続ける。

「年齢を重ねると、失敗するまで人のアドバイスに耳を傾けなくなってしまいがちです。自分自身も、もっと早くから知っておけばよかったこと、取り入れておけばよかったことがあります。人の話を理解して継続できるかは本人次第ですが、自分の経験や考えを子どもたちに伝えていけたらと思っています」

 シンプルな投球フォームには、パフォーマンスアップと怪我の予防につながるヒントが詰まっている。

(First-Pitch編集部)

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