楽天ドラ1吉野創士にも備わっていた 昌平高・黒坂監督が説く“伸びる選手”の共通点

成長する選手に共通する“素直な心”

 甲子園は多くの高校球児の憧れる聖地。しかし、黒坂監督は決して「甲子園に行こう」という指導はしない。「選手自身が行きたいかどうかです。自ら行きたいと思わないと意味がないじゃないですか」。それには理由がある。

「高校野球は人格形成の一環。あくまで教育なんです」

 甲子園で活躍すれば、ドラフトで上位指名されれば――。普通の高校生が一躍スターになる。しかし、それはごく一部で、多くの球児は別の道に進む。社会に出て必要なのは人格であり、自ら考えて決断する力が求められる。「部活動というのは人間的成長を促すのが、僕らが本来やるべきことだと思います」。黒坂監督にとって野球は人格形成のための“ツール”だ。

 伸びる選手に共通して備わっているのは、“素直な心”だと話す。ミスをした時にそれを認めて、次のミスを防ぐことを考える。それが成長につながるからだ。吉野もその心を持っていたという。2年秋には不調で苦しみ、背番号返納を申し出たこともあったが、チームメート、黒坂監督に促され翻意。自身が結果を残せなくてもベンチからの声や練習態度でチームを鼓舞するようになった。「自分の間違いに気づいたというのも、素直な心があったからだと思うんですよね。それが結果にもつながっていると思います」と振り返る。

「失敗やミスをごまかして、それがうまくいっても、そこに何も残らないんです」。精神力や技術、体力もそうだが、社会に出る準備、心技体“知”の部分を鍛えるのも高校野球だ。

○黒坂 洋介(くろさか・ようすけ)1975年6月15日、東京都生まれ。昌平高の前身である東和大昌平高卒業後、駒大に進学。社会人野球のシダックスでは野村克也監督から指導を受けた。2005年から2008年まで母校の昌平高で監督を務める。その後、一般企業を経て、2017年秋に同校の監督に復帰した。2020年秋に同校初の埼玉大会優勝。今秋、吉野創士外野手が楽天からドラフト1位指名を受けた。

(記事提供:First-Pitch編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY