792日ぶりに勝ったDeNA東克樹の本音「球速は100%でないという声もありますが…」
今季はエース今永も左肘手術で出遅れ、シーズン序盤から下位に低迷した
この試合でバッテリーを組んだのは、プロ初出場の20歳・益子京右捕手だったが、東は「ファームの試合や練習では散々組んだ仲。僕の球筋、配球を理解してくれているので、すんなり試合に入れました。イニング間にもコミュニケーションを取り、相手打者に対応できたと思います」とうなずいた。
1回にいきなり1死満塁のピンチを背負うも、高橋周を外角のカットボールで三邪飛。続く渡辺も速球で二ゴロに仕留め、無失点で切り抜けると、2回から8回まではなんと1人の走者も許さなかった。ストレート、カーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップを駆使し、相手打者を翻弄した。
もっとも、手術前に150キロを超えていたストレートの球速は、MAX146キロ止まり。「トミー・ジョン手術を受けた後の方が球速が速くなった、という例をよく聞くので、球速に関しては100%ではないという声もありますね」と認める。それでも「もともと、1試合1試合何かを変えていかないと、1軍では勝てないと思っています。その日の状態を確認しながら、自分の引き出しの中にあるものを使って対処していきたいです」と言う。
球速が出ようが出まいが、相手打者を打ち取る術はある。「来年は1年間先発ローテを守るつもりでトレーニングをしますし、守らなければならない立場だと思っています」と力強い。
DeNAは今季、エースの今永昇太投手も昨年10月に左肩のクリーニング手術を受けた影響で出遅れ、終始下位に低迷する要因の1つとなった。実績のある左腕2人がそろってフル回転すれば、来季は見違えるようなチームになるはずだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)