オリックスとロッテの僅かな差は? 両球団在籍OBが指摘「最後の勝負どころで…」
最多セーブも6敗を喫した益田 8月以降調子を上げた平野
また、現役時代に抑えとして活躍した小林氏は「今季はクローザーにとって非常に難しいシーズンだった」と指摘する。今季は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、全試合9回打ち切り。したがって、ビジターの試合では勝利の可能性がなくなった同点の9回裏にも抑え投手が登板するケースが激増した。
「クローザーがこれほど同点というシチュエーションで投げた年は他にないと思います。実は“1点でも取られたら負け”という状況でクローザーが投げることは稀です。例えば3点差があれば2点までは取られてもいいわけで、やれることがたくさんある。同点で行くとなると、引き出しが減るのです」と説明する。
そんな中、ロッテの守護神・益田直也投手は、38セーブでタイトルを獲得も6敗(3勝)を喫した。小林氏は「厳しい言い方かもしれませんが、益田の負け数が1つでも少なければ…… と惜しまれます。僕が見た印象では、四球でもいい状況でボール球を投げ切れず、痛い本塁打やタイムリーを打たれたシーンがあった。失敗が少なかったら球団初の40セーブも達成できたのに、残念です」と言う。
一方、メジャー経験も豊富なオリックスの抑え・平野佳久投手は、4月に頸部の痛みで出場選手登録を抹消。1軍復帰まで約1か月半を要したが、8月以降は徐々に調子を上げ、最終的に46試合1勝3敗29セーブ、防御率2.30と安定していた。「最後は経験値という強みが出た。状況を理解して投げることができる点で、平野の方が少し長けていたかもしれない」と分析した。
オリックス、ロッテに3位の楽天を加えて今月6日に開幕するCSは、故障者にも休養が与えられて仕切り直しとなる。今度はどんな戦いが繰り広げれるか、楽しみが尽きない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)