「嫌われて当然と思って…」 日本ハム栗山監督、選手と接した10年間の厳しさと愛情
「給料が上がって、なかなか言いづらい人たちに文句を言うのは僕の責任」
日本ハムの栗山英樹監督が1日、札幌ドームで退任会見を行った。球団最長の10年間指揮を執り、日本シリーズ制覇と2度のリーグ優勝に導いた名将は「選手たちのことをよろしくお願いします」と何度も頭を下げた。ユニホームを脱いだ後も「文句を言うのは僕の責任」と選手を叱咤激励し続ける。
選手とはマネジャーを通して連絡することが多かったが、退任にあたり、中心選手とLINEでつなげてもらったという。「メッセージ、めっちゃ入れました。“ずっと文句言い続けるからな”って。だんだん試合に出て、給料が上がって、なかなか言いづらい人たちに文句を言うのは僕の責任。そのことだけは、どこにいようと、自分の使命としてやり続けます」とニヤリと笑った。
これまでも期待している選手ほど厳しい態度を取ってきた。エンゼルスの大谷翔平投手が日本ハム在籍時には、活躍を問われると、頬を緩めることはあっても、褒めることはしない“ツンデレ”対応が定番だった。選手の潜在能力を信じているからこそ「まだまだこんなもんじゃない」とハッパをかけ続けてきた。
選手との対応で最も意識したのは「とにかく片想いを続けること」だと言う。「相手がどう思うかは一切関係ない。人は本能として嫌われる怖さを持っていると思うんですけど、嫌われて当然と思ってやったつもり」と選手のために心を鬼にすることもあった。
今季は3年連続Bクラスに終わり、来季は札幌ドーム最終年を迎え、2023年には北広島市に新球場「エスコンフィールド北海道」のオープンが控えている。「本当に大事な時期」と認識しているからこそ、今の選手たちにはしっかりと自覚を持ってほしいと願っている。