金メダルの立役者 オリ山本由伸が振り返る東京五輪「どんどんいいチームになった」
エースが務めた“記録係”雰囲気最高の侍ジャパン
米国との再戦となった決勝では登板がなく、メダルを決めた瞬間に山本が務めていたのはチームの“記録係”だ。カメラを手に「みんなが喜んでいる姿、感動して泣いている姿とかを映像に収めました。金メダルを『取ってしまった……』というような嬉しさが大きかったですね」と、喜びと安堵がないまぜになった感覚を覚えたようだ。
稲葉篤紀監督は代表メンバーの選考にあたって、チームが1つになれることを何より重視したという。山本も2019年のプレミア12から侍ジャパンの中に身を置き、チームの進化を感じてきた。
「(五輪は)プレミアの時とかなりメンバーは変わったんですが、凄くいいチームだった。雰囲気よく最初からできていた。期間が進むともっともっとチームの結束力がでてきて、どんどん素晴らしいチームになっていった感じがしましたね」
指揮官は自身の北京五輪での敗戦経験から「五輪の借りは五輪で返す」と言い続けた。一方で、選手がのびのびプレーできる環境づくりに心を砕いていた。その思いは、山本の胸にも届いていた。
「選手ファーストでやりやすい環境を作ってくださった。『監督のためにやるぞ』と、いいチームになったのもすべて監督のおかげです。僕はプレミア12と、2度稲葉さんに優勝を経験させてもらえたので、本当に感謝の気持ちを伝えたい」
金メダルの経験を経て、戻ったシーズンでもパ・リーグ“5冠”に輝きチームが優勝。もはや誰もが認める日本のエースとなった。