沖縄から北海道へ…ホームシックに耐えて掴んだプロ入り 西武ドラ6新人の“原点”

西武・ブランドン【写真:荒川祐史】
西武・ブランドン【写真:荒川祐史】

沖縄出身の西武・ブランドンは北海道網走市の大学に進学した

 2021年シーズンで42年ぶりの最下位に沈んだ西武は既に来季に向けて動き出し、若手は飛躍を期して鍛錬に励んでいる。今季32試合に出場したタイシンガーブランドン大河(登録名・ブランドン)内野手は、沖縄・うるま市の高校から北海道・網走市の大学に進学。厳しい環境でレベルアップし、昨年のドラフト会議で6位指名を受けてプロの舞台に立った。期待のホープがこれまでの野球人生を語ってくれた。

 ブランドンは沖縄・石川高で投手で4番を務めたが、3年夏の県大会は1回戦負けを喫し「あっという間に終わってしまった」と振り返る。そして、沖縄から遠く離れた北海道・網走市にある東農大北海道オホーツクに進学した。「お話をいただいたときは大学のことをよく知らなかったのですが、いろいろ聞いていく中で、野球に集中できる環境だと思いました。自分が育った沖縄から離れたところで頑張ってみようと思いました」。

 雪を見たこともほとんどなかった。小・中・高校の同級生が一緒に進学したこともあり何とかなると思っていたが、最低気温がマイナス20度近くになる日もある網走の冬はやはり厳しかった。ホームシックにもなった。でも、簡単に帰省できる距離ではなかった。

「怪我をせず、風邪を引かないようにとにかく部屋を暖めました。沖縄の人は湯船に浸からないのですが、湯船に浸かる習慣もできました。北海道に行って、身体のケアの大切さを一番学びました。沖縄に帰ると多少なりとも元気になるのですが、帰ったら帰ったで戻りたくなくなる。でも、戻らなきゃいけなかったです」

 高校時に肩を痛めたこともあり、大学では野手に専念。首位打者を3度手にし、ベストナインに5度輝いた。4年時には主将としてチームをけん引。新型コロナウイルス感染拡大の影響で部活動ができない期間は、沖縄の実家に戻りオンライン授業を受けながら自主トレに励んだ。そして、4年秋のリーグ戦で3度目の首位打者を獲得。西武からドラフト6位指名を受けた。

「キャプテンを経験して、人間的に成長できました。チームメートにも注意しなきゃいけない場面もありますが、言うしかないし、言わないと強くなれないと自分に言い聞かせました。練習もきつかったですが、きつい練習をしたらそれだけ自分に返ってくると思って頑張りました。ドラフトで名前が呼ばれた時は、頭が真っ白になりました。指名されていなかったら、4年間やり切ったので『もういいわー』って、野球を辞めていたかもしれません」

今季は32試合出場、打率.247&3本塁打をマークした

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