夢の100億円超え契約はお預け? FA市場の目玉遊撃手が単年契約になる可能性
コレア、シーガー、バエスら大物遊撃手らが揃うFA市場
今オフのFA遊撃手のマーケットには大物が揃っており、1億ドル超えの大型契約ラッシュも予想されている。その中の1人がロッキーズからFAとなったトレバー・ストーリー内野手。しかし、米メディアでは、ストーリーが異例の単年契約を結び、1年後に大型契約を目指して再びFA市場に出直す可能性を指摘している。
今オフのFAランキング11位に選出されながら、なぜストーリーは単年契約を結ぶことになり得るのだろうか? 米「CBSスポーツ」では今年1月にブルージェイズと1年契約を結び、45本塁打102打点を記録しシルバースラッガー賞にも輝いたマーカス・セミエン内野手と同じ足跡を辿る可能性があるとした上で、その根拠として「守備位置に関する疑問」「クアーズの影響」「大物揃いのクラス」の3つを挙げた。
15日(日本時間16日)に29歳になったばかりのストーリーは、2016年のメジャーデビューから733試合に遊撃手として出場している。記事では「大抵の場合平均以上の守備力」と評価するものの、直近2年間で送球の球速の低下が顕著であるとするデータを紹介。他の内野ポジションと比べて遊撃手は一般的に守備範囲の広さが求められるため「獲得を狙う球団は守備位置をコンバートするのが最善だと判断するかもしれない」としている。
また“打者天国”で知られるクアーズ・フィールドを主戦場としてきたため、移籍後に同レベルの打撃を維持できるのかという“懸念”も指摘されている。直近3年間で、本拠地では打率.316、出塁率.384、長打率.589を記録するも、敵地では打率.237、出塁率.311、長打率.440と内弁慶ぶりは明らか。しかし、カージナルスのノーラン・アレナドをはじめ元ロッキーズの選手が新天地でも変わらず高い打撃力を披露した例も紹介し、「(ストーリーの敵地での成績が劣っていることの)全てが絶望を意味するものではない」と必ずしも悲観的な側面ばかりではないことも強調している。
今オフの遊撃手のFA市場にはコレア(アストロズ)やシーガー(ドジャース)、バエス(メッツ)ら実績十分の選手たちが集結している。ストーリーもその遊撃手市場でトップクラスの存在であることは確かだが、記事では「市場に大物が集まるほど、1人の選手が蚊帳の外になる可能性が高くなる」と締めくくっている。メジャーデビューから6年間で通算打率.271、158本塁打450打点と毎年安定した成績を残してきた若きスラッガーにとって、夢の大型契約は来季まで持ち越しとなってしまうのだろうか。
(Full-Count編集部)