「偏差値が5、上がります」東大野球部前監督がスカウティングで使う必勝アイテム

東大野球部の監督を務めた浜田一志氏【写真:高木希】
東大野球部の監督を務めた浜田一志氏【写真:高木希】

「東大」とプリントされたハチマキは偏差値が5上がる“必勝アイテム”

 2013年から2019年まで東大野球部の監督を務めて手腕を発揮した浜田一志氏は現在、部活と勉強の両立を目指す学習塾「Ai西武学院」の塾長を務めている。少年野球指導のヒントを紹介する企画「ひきだすヒミツ」では、文武両道を叶えさせる浜田氏の指導法を深堀りしていく。第1回は、選手を“その気”にさせる方法。「偏差値を5、上げる」ことが可能なアイテムがあるという。

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 私は東大野球部監督時代、選手のスカウティングで全47都道府県を訪れました。東大はスポーツ推薦がないのに、スカウトに行ってもしょうがないじゃないかと思われるかもしれませんが、実際に足を運んで熱意を持って勧誘すると、いい選手が入ってきます。そういった中から宮台康平(ヤクルト)のようにプロに入る選手が出てきたりする。全国には、能力があっても隠れている子がたくさんいるんです。

 東大なんて考えてもいない子に、東大に行きたいと思ってもらうところから、スカウティングは始まります。その意味では灘、開成のような超進学校は対象外。静岡、東筑(福岡)、彦根東(滋賀)のような、甲子園出場経験のある地方の進学校に足を運ぶことが多かったですね。

 そういう学校で野球をしている子は、皆、文武両道を目指している。だから「文武両道の最高峰を目指さないか」と声を掛けるんです。そうすると今まで考えてもいなかった「東大」を意識してくれるようになる。

 そこで淡青色の「東大」とプリントされたハチマキをプレゼントする。このハチマキは偏差値が5上がる必勝アイテムです。「東大に行きたい」というスイッチが入るだけで、それくらいの効果は十分あります。

 毎年、夏休みまでに200人ほどがリストアップされます。その後、早稲田、慶応への指定校推薦や、やはり地元の医学部に行きたいという理由などで抜けていって、実際に受験するのは30人くらい。その中から合格するのが4、5人ですから“歩留まり”はすごく悪い。でもそういう努力をすることが大事。200人の偏差値を5上げておけば、そのうち4、5人はなんとかなる。だから毎年、ハチマキを200枚作っているんです。

静岡、東筑の甲子園経験者が東大へ、花巻東からも今春合格者が

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