野球の力で生み出した地域のつながり 閉校利活用で作った室内練習場から広がる輪

応援している大人がスポーツをする子どもの心を育てる

 また、室内練習場で使用できるバットも「鹿児島産」にこだわった。鹿児島県は全国1位の竹林面積を有し、中でも薩摩川内市は県内2位となっている。地元の誇りである一方、高齢化や担い手不足により、里山の環境を悪化させる放置竹林が課題となっている。そこで、福永さんは「竹バット」への活用を考えた。子どもたちには、地元の素材を使った野球用品を知ってもらうだけでなく、地元が抱える課題にも目を向けてもらいたいと考えている。

「応援してくれる方、協力してくれる方が、こんなにもたくさんいるんだと感じました。室内練習場を通じて地域のつながりができました。スポーツで地域を活性化したいですね」と福永さん。雨の日でも練習できる施設に、エコボールや竹バット。野球を楽しむ子どもたちは忘れてはならない。そこには、大人たちの思いやメッセージが詰まっていることを。

(間淳 / Jun Aida)

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