コントロールが悪い原因は… 鷹Jr.率いる帆足和幸氏が伝えるキャッチボールの重要性
「キャッチボールを疎かにしているからコントロールが悪い、と思っています」
NPB12球団が各地域で選抜チームを結成し、日本一を争う小学生の軟式野球大会が「NPB12球団ジュニアトーナメント」だ。例年、年末に催され、2021年は12月28日から明治神宮野球場と横浜スタジアムで開催される。九州・沖縄地区の子どもが集まる「ソフトバンクホークスジュニア」を率いるのが、西武、ソフトバンクで通算90勝を挙げた帆足和幸氏だ。
ホークスジュニアの監督に就任して今年が3年目となる帆足氏。今年のメンバー16人も決まり「日本一になりたいという思いは強いですね。1年目は1勝もできませんでしたが、去年は1勝して勝つ喜びを子どもたちに教えてもらいました。今年で3年目なんで、優勝を目指して頑張りたいと思っています」と意気込んでいる。
かつてプロ野球の第一線で活躍していた選手が、30歳ほども離れた小学生に野球を教える。そこには難しさもあるが、帆足氏は「上からガツガツと行かず、なるべく同じ目線でやっているつもりです。なんで、こんなこともできないんだって思いそうになりますが、同じ目線に合わせて、しっかり教えてあげるか。いかに楽しく教えてあげるか、いかに楽しく飽きさせずにさせてあげるか。そこにかかってくると思います」と指導方針を語る。
帆足氏は球団職員として野球振興部でも働いており、日々、幼稚園児から小学6年生までの子どもに野球の楽しさを伝える活動にも勤しんでいる。大事にしているのは、野球の楽しさを感じさせてあげること。「小さい子はゲーム感覚ですね。ストラックアウトをやるとか、バッティングでもフェンスギリギリに立って、スタンドに入れるようにすると盛り上がる。ゲーム性や面白さを、伝えるようにしています」。小さい子ほど、こういったゲーム性を持たせることで熱中する度合いが増すという。
そんな帆足氏が大事にしてほしいというのはキャッチボールの大切さ。「キャッチボールは基本だと思っています。イベントでも『コントロールが悪いのはどうしたらいいですか?』とよく聞かれます。僕はキャッチボールを疎かにしているからコントロールが悪い、と思っています。キャッチボールの時に、1球目からしっかり胸に投げるように心がけをしていれば、そんなにコントロール悪くならないと思います」と語る。
帆足氏自身も現役だった頃は日々のキャッチボールを大切にしてきたという。「1球1球、目標に向かってしっかり投げる。最初の1球が大事だと思っていたので、現役時代は気をつけていました。その疎かにした1球が試合に出るものなので」。2005年には自身最多の13勝。プロ生活15年間で4度の2桁勝利を達成した投手でさえも、毎日行うキャッチボールの重要性を説く。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
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