罵声禁止、休んでOK、保護者の負担なし… 少年野球の常識を疑う新設チーム“9の約束”

代表の中桐さん「少年野球って、いまだおかしいことがたくさんある」

 チームには“9つの約束”がある。「罵声や高圧的な指導を完全禁止」をはじめ、「ばっちこーい!」など野球独特の「ロジカルではない声出しは行わない」や「活動は休んでも構わない」との項目も。共働きの家庭も多いため「保護者の時間的負担一切なし」と掲げている。

「少年野球って、いまだおかしいことがたくさんある。私は、小学校の野球にトーナメントは必要ないと思うんです」。勝つために、能力の高い投手に負担が偏ることもしばしば。「高校生になって肩肘をケアするのでは遅いんです」と強く語る。楽しく白球を追うことが最優先。「自分がやれなかったというのもありますけど……。せっかく好きで始めた野球が嫌いになったり、怪我をしてしまったりで辞めてしまうのは残念なので」と言う。

 無理のない練習量に設定しているため、連戦連勝は望めないかもしれない。従来は保護者が担っていた役目を外部に委託することもあるため、会費は割高になっている。ただ、デメリットも含めて全てホームページに掲載。メンバーを集めることよりも、ミスマッチを防ぎたいという思いが強い。

 発足から半年で、メンバーはおよそ20人に。将来的には、同じ志を持ったチームを集めてリーグ戦を開催したい。「負けても次がある、小学生ではそれでいいと思うんです」。練馬アークスの取り組みは、まだ始まったばかりだ。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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