イチロー氏が国学院久我山を指導　3年生からの手紙が縁「凄く気持ち伝わる」

走り方についてアドバイス「『腕を振れ』と言うけれど、腕は後ろに」

　マリナーズのイチロー氏（会長付き特別補佐兼インストラクター）が29日、国学院久我山高（西東京）を訪れ、野球部の生徒82人に指導を行った。イチロー氏は昨年12月には今夏の甲子園を制した智弁和歌山高の野球部に指導を行っており、高校での指導はこれが2度目。年内にさらに2校を訪問して指導する予定となっている。

　今秋の都大会を制し、来春の選抜出場を確実にしている国学院久我山高への訪問はイチロー氏と3年生の田村優樹くんが昨年、知り合ったことがキッカケに。田村くんをはじめ現在の3年生からの「野球が上手くなりたい。強くなりたい。そのために来てほしい」という強い想いのこもった手紙がイチロー氏に届き、応えることになった。

　フード付きの黒のトレーニングウエア、赤のハーフパンツという服装で同校のグラウンドに到着したイチロー氏。引退した3年生を含めた部員82人の前に立つと「田村くんとたまたま会って、手紙をいただきました。すごい気持ちの伝わる手紙で（自宅で）大切なものが入っている引き出しに大切に保管している。これを見るだけで文武両道が分かる。文武両道に僕はすごく憧れていた。一緒に練習しましょう」と挨拶し、指導が始まった。

　現役時代と変わらぬ姿で体を動かし始めたイチロー氏。序盤には早速、走り方について生徒たちにアドバイスを送り「『腕を振れ』と言うけれど、腕は後ろ（に振る）。後ろに振ると1歩が長くなる。肩甲骨が動き出すと、1歩が大きくなる。大きく使う。1つクリアしてから次。1つできたら次にステップする。3つ以上とかはできない」。実際に走って実演して見せ「僕の足は内側に見える。外側に膝が回ると動きはロス。意識するだけで変わる。何日かでできること。考えないと永遠にできない」と考えることの大切さを説いた。

　その後はフリー打撃でバッティングも披露。生徒たちが守備に就き、それ以外の部員はケージの後ろからボールを弾き返す姿を見つめた。右翼や中堅の防球ネットを超えていく“柵越え”を何本も放っていた。

（Full-Count編集部）