菊池涼介はまさかの二塁手3位、中日は最多3部門…データで「セGG賞」を選出
総合的な守備指標「UZR」を用いた“データ版”ゴールデン・グラブ賞
守備の名手に贈られる「2021年度 第50回三井ゴールデン・グラブ賞」が、2日に発表される。規定の出場数を満たした選手が対象で、新聞社やテレビ局などで5年以上の取材キャリアがあるプロ野球担当記者の投票で決まる。選手のイメージやチーム順位などが影響するとも言われるが、データで選出するとどんな結果になるのか見てみたい。今回はセ・リーグ編。
用いた指標は、守備全般での貢献を示す「UZR(Ultimate Zone Rating)」。リーグにおける同じ守備位置の平均的な選手が守る場合に比べて、守備でどれだけの失点を防いだかを表す。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを参照した。
やはり注目は二塁手部門。8年連続で受賞している菊池涼がデータ上では“陥落”する結果となった。トップの吉川が堂々たる数字を残し、2位はヤクルトの山田哲人で「7.1」。菊池涼はわずか「0.2」で3位に甘んじた。ただ、ペナントレースでは何度も難しい打球をアウトにしたのも事実で、結果が注目される。
外野手部門の鈴木誠以外は、2020年の実際の受賞者から顔ぶれがガラリと一変。バッテリーは、今季最優秀防御率と最多奪三振の2冠を獲得した柳と木下拓の中日勢となった。一塁手部門は、有資格の外国人4選手がいずれもマイナス指標という低調な争いに。マルテが辛うじてトップだった。
遊撃手部門では、実際に2年連続している巨人の坂本勇人が「5.0」で2位。僅差で上回った京田に軍配が上がった。三塁手部門も激戦で、宮崎と0.3ポイント差で巨人の岡本和真が「2.4」で2位。阪神の大山悠輔が「2.2」で3位だった。
実際の結果とデータとでは、どこまで差異が生まれるのか――。守備でファンを沸かせてきた名手たちに投じられる票の行方に、注目が集まる。