鷹・千賀はなぜ5年契約を選んだ? メジャー挑戦とリスクヘッジが叶う異例の長期契約
メジャー挑戦の場合のみ契約を破棄できるオプトアウトの条項付き
そこで芽生えた思いが、選手は常にリスクと隣り合わせであるということ。いつ大怪我をしてプレーできなくなるか、いつ球団から戦力外を言い渡されるか分からない。契約してくれる球団がなくなるかもしれない。そうしたリスクを軽減してくれる長期契約は大きなメリットだった。
その上で夢であったメジャーリーグ挑戦も叶えることができる。来季中には海外FA権を取得する見込みで、メジャー挑戦の場合のみ契約を破棄できる。この日も「野球人として常にそういう思いを持ちながら、上を向きながら、しっかり日々を大切に取り組んでいけることが大切。それがホークスにいる中で力になっているのは間違いない」と思いは隠さない。早ければ、来オフにもメジャー挑戦の夢は叶う。
ただ、国内でプレーする限り、向こう5年間は“ホークス一筋”。交渉にあたった三笠杉彦GMは「我々としては、ずっとホークスでプレーしてくれることが嬉しいことですが、彼にはメジャーでプレーしたいという夢、希望がある。意見交換した中で至った結論がこういう形になった」とし、仮に千賀がメジャー挑戦を希望した場合も「ずっとホークスでプレーすることを選んでもらいたいと思って話をするけど、選手の権利ですので快く送り出して頑張ってもらいたい」と認める方針だ。
「今年1年間、不甲斐なさがありましたし、チームの成績も納得できるものではなかったので、それが今回の大きな理由になりました。怪我をした中で、自分は改めてしっかりやらなくちゃ行けない投手だと思わせてもらったので、とにかく来年1年しっかりやりたいという思いでいます」。異例の大型契約を結んだ千賀。2022年はチームのリーグ優勝と日本一奪還のために力を注いでいく。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)