なぜ西岡剛は北九州の監督になるのか? 会見で明かした想い、変えたい独立Lの環境

監督就任会見に臨んだ福岡北九州フェニックスの西岡剛氏【写真:福谷佑介】
監督就任会見に臨んだ福岡北九州フェニックスの西岡剛氏【写真:福谷佑介】

「NPBを目指している子たちが生活することにいっぱいいっぱいという状況を打破したい」

 九州アジアリーグに2022年から参入する「福岡北九州フェニックス」の初代監督に選手兼任で就任するプロ野球元ロッテ、阪神の西岡剛内野手。6日に北九州市内で就任会見を行うと、新監督就任のオファーを受諾した理由や、監督として実現したい想いなどを語った。

 母親が大牟田市出身で福岡に縁があったという西岡監督。3年間プレーしたルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスから新たなチャレンジに踏み出した。その理由を「次のステップアップをしようというところで、選択肢は何個かあったんですけど、1番難しい仕事が北九州に来ることかな、と。これまでは、あったチームに入ってきて、このフェニックスはゼロイチ。そこに携われるのは、人生にとってもいい経験になる」と語った。

 会見の中では日本各地にあるそれぞれの独立リーグの間を取り持つプランを示した。「全てが独立したリーグなので、各方面のリーグに一体感がない」という西岡監督。「野球を盛り上げるリーグとしては、BCリーグ、四国アイランドリーグplus、日本海オセアンリーグ、そして九州アジアリーグがいつか同じグラウンドで戦えるようになればいいなと思っている。栃木で3年プレーしていたので、何か懸け橋になれればいいかな」と思い描く。

 3年間、栃木でプレーしていたからこそ独立リーグの現実も知っている。若い選手が十分とは言えない給料の中で、生活に苦労しながら、NPBを目指して野球を続ける。それを目の当たりにしてきたからこそ「少しでもその子たちの給料を上げてあげたい」と目標を掲げる。

 そして「夢を追いかけて、やりたいことをやってるんだから我慢しなよ、というのが日本の文化だと思うんですが、10万円、15万円で夢を目指すのは言葉はいいですが、現実問題、NPBを目指すためには食事もしっかり摂らないといけないし、サプリメントもプロテインも必要です。そこを目指している子たちが生活することにいっぱいいっぱいという状況を打破したい。早く独立リーグの中でも、家族を持ってでも仕事として野球ができるリーグ、せめて40万、50万と稼げるリーグに発展していけばいいなと思っています」とも語った。

 栃木で共にプレーしてきた川崎宗則内野手からの後押しを受けて決めた北九州フェニックスの監督就任。「この先野球界をどうしていくか、たくさん話をしてきた」という西岡監督と川崎。“盟友”の想いも背負って、北九州の地で野球界発展のために力を尽くしていく。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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