新庄監督の申し出を“敢えて辞退” ソフト新リーグに求められる「お、ねだん以上。」

上野、島田チェアマン、タイトルパートナーの似鳥昭雄会長、後藤(前列左から)【写真:宮脇広久】
上野、島田チェアマン、タイトルパートナーの似鳥昭雄会長、後藤(前列左から)【写真:宮脇広久】

新庄ビッグボスから「恩返しでソフトボールのために何かやりたい」と申し出

 実は、島田チェアマンは2018年に定年退職するまで、プロ野球・日本ハムでチーム統括本部長、球団代表などフロントの要職を歴任。いま球界を席捲している“ビッグボス”こと日本ハム・新庄剛志監督とは、現役時代から親交が厚い。その新指揮官から最近「恩返しでソフトボールのために何かやりたい」とありがたい申し出を受けた。実際、日本ハムの来季の日程によると、3月28日は移動日に当たっており、開幕戦来場も可能かもしれない。

 しかし、島田チェアマンは「凄くうれしかったけれど、我々の中でいろいろ考えた結果、今ビッグボスにやってもらうと全部持っていかれる。しばらくして、(新庄フィーバーが)収まってからにしようということになった」とあえて当面辞退。他力本願で一瞬だけ注目されても意味はない。足元を見据え、新リーグの知名度と収益力を着実に上げていくつもりなのだ。

 リーグの「タイトルパートナー」(冠スポンサー)には、家具・インテリア用品大手の「ニトリ」が3年契約で就いた。会見に同席した同社の似鳥昭雄会長は「東京五輪でソフトボール日本代表の戦いぶりには興奮した。新リーグにはメジャーになれる可能性があると思う」と語る。同社は日本ハム球団のオフィシャルスポンサーも務めているとあって、「新庄さんみたいな選手、監督が出てきたら面白い。わが社は『お、ねだん以上。』を掲げているだけに、プレーにプラスアルファが欲しいね」と要望。「失敗を恐れず新しいことをやりたい。多少お金がかかっても、やる価値のあることなら協力したい」と請け合った。

 島田チェアマンは「試合のネット配信も予定していますが、メーンは観客動員」と明言。「現時点では、来年のコロナ禍の状況が未知数で、初年度は収容人数が3000人に満たない球場も使用するなど、ネックはある。それでも、できる限り多くのお客さんに見ていただけるよう努める」と語気を強めた。まずは3年の間に、新リーグを軌道に乗せることができるか手腕が注目される。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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