京大野球部は「弱者じゃない」 元ホークス・近田新監督が期待する“秀才軍団”
「これまであった常識を覆して、モデルケースを」
昔ながらの練習方法も京大ナインには通じない。グラウンド100周、千本ノックなど根拠が見えないトレーニングには興味を示さなかった。
「僕も昔は何のために走ってるんだ? と思いながらやっていた。全ての練習がどこに繋がっていくかを分かっていないと意味がない。最低限の基礎は教えていくが、色々な視点から選手の成長をみていきたい」
早くからラプソードなどを用いて科学的に投球を分析。外部指導者も積極的に招聘し、最近ではパドレスのダルビッシュ有投手も認める「プロウト(プロの素人)」と呼ばれるお股ニキ氏らにも指導を仰いだ。また、来季からは野球未経験ながらデータに特化した部員をアナライザーの役職(主務兼務)に付けベンチ入りさせることも決まっている。
「ある意味、優勝を義務づけられていない京大だからこそできる部分がある。昔の僕の考えをいい意味で壊してほしいですね。これまであった常識を覆して、モデルケースを作っていければ野球界も変わっていく」
今秋のリーグ戦では水口創太(3年)が京大史上最速となる152キロをマークし、一躍来年のドラフト候補に名を連ねるなど注目を浴びている。チームの最高成績は2019年秋シーズンに記録した4位。強豪ひしめく関西学生野球リーグで近田新監督がどのような手腕を発揮するのか、今後も注目が集まる。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)