子どもを伸ばす“安易に褒めない指導” 地域に根差した道産子チームが全国3位の秘密

打撃を指導する岩見沢南ビクトリー・坂下監督【写真:石川加奈子】
打撃を指導する岩見沢南ビクトリー・坂下監督【写真:石川加奈子】

8月のマクドナルド・トーナメントで3位入賞の岩見沢南ビクトリー

「不思議な勝ちって本当にあるんですね」。8月に新潟で行われた「高円宮賜杯 第41回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」に初出場し、3位入賞した岩見沢南ビクトリー(北海道岩見沢市)の坂下賢一監督は、快進撃をしみじみと振り返る。

 岩見沢南小の児童を中心にした昔ながらの地域に根差したチーム。「(4強入りした)うち以外の3チームはそういう形態ではないですし、普通のチームがなぜ勝てたのか。今でも不思議です。純粋に野球を楽しみながら、1球1球一生懸命という世界に浸っていたのかなとは思います。そうとしか考えられません」。3投手を中心にした継投と勝負強い打撃で、粘り強く接戦を勝ち上がっていった。

 大舞台で普段通りの力を発揮できた背景には、坂下監督の“安易に褒めない指導”がある。見ているのは結果ではなく、選手の判断や意志だ。

「たまたま打てたという場合には褒めません。やってきたことをしっかりやろうとしたのであれば、そこは見逃さず、うまくいかなかった場合でも褒めます。子どもはそういう時の方が、いい顔をするんですよ。“そこを見ていてくれたんだ!”という感じで。それがきっかけで伸びる子もいますし、チャレンジするようになりますね」

低学年の子どもたちにも70~80キロ程度のボールを打たせる指導

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