苦悩の1年を経て「光が…」 DeNA細川、オースティンらとの米国修行で得た手応え

DeNAのタイラー・オースティン【写真:荒川祐史】
DeNAのタイラー・オースティン【写真:荒川祐史】

異例の許可でこの秋に渡米、ソトも加わり「新たな発見があった」

 シーズン終了を迎えると、球団の了承を得て米国へ飛び立った。カリフォルニア州にあるトレーニング施設では、オースティン、そして主砲ネフタリ・ソトと合流。オースティンが師事する現地コーチ陣も加わり、主に打撃スキルの改善に取り組んだ。

「まずは打つ姿を見てからアドバイスをいただいたんですが、改善していこうと言われたのが上半身、腕、バットの使い方。指摘された点は、シーズン中に自分でも何とかしたいと思っていたところでした。僕の場合、ボールがバットに当たるゾーンに奥行きを持たせたいと思っていて、打席ではバットを極端に下から出してボールを捉えるイメージをしています。そのイメージをどうやって体で表現するか。そこが上手くできなかったから、今年はゴロが多くてホームランがゼロだったんだと思います」

 頭の中にあるイメージを体現するために、通常よりも短く、チェーンの付いたバットを使ってみたり、片手でバットを振ってみたり、現地コーチのアドバイスを基に今までにはないアプローチを取ってみた。「バットを持たずにできるドリルも教えていただきました。いろいろ試してみましたが、自分でも『なるほど』と納得できる部分が多かったので、すごく面白かったですね」。そう語る声は心なしか弾んで聞こえる。

「本当に濃い1週間だったと思います」という言葉が、充実の時間を物語っている。見るもの、聞くこと、全てが新鮮。1つでも多くのことを学んで帰ろうと、夢中で打撃と向き合った。「他の国の野球文化に触れて『こういう考え方があるんだ』『こういう教え方もあるんだ』と、新たな発見が本当にいっぱいありました」。野球に対する視野が少し広がると「自分の中で『こうした方がいいんじゃないか』という道が見えてきた。光が見えてきたんじゃないかと思います」と、目の前の霧が晴れた思いがした。

勝負の6年目に向けて「打撃をモノにできるかできないかは自分次第」

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