TikTokフォロワー87万人の女子高生 イチロー氏を二ゴロ斬りも実感した凄み
高知中央・松本里乃は女子高校硬式野球選抜チームの一員としてイチロー氏と対戦
次世代の野球女子日本代表を目指す高校生23人で結成された女子高校硬式野球選抜チームが18日、マリナーズのイチロー氏(会長付き特別補佐兼インストラクター)が結成した草野球チーム「KOBE CHIBEN」とエキシビジョンマッチを行った。選抜チームには、TikTokのフォロワー87万人を誇る高知中央の松本里乃や、巨人女子チームへの入団が発表された至学館の吉安清、春の選抜王者・開志学園の斎藤栞などが選出された。
5回に5番手として登板した松本は、先頭打者のイチロー氏を1ボール2ストライクと追い込むと二ゴロに打ち取った。後続打者も内野フライで3者凡退に抑え、表情が和らいだ。
「自分はストレートの伸びが持ち味。やってきたことを思い出しながらいい軌道で投げようと思っていました。イチローさんは雰囲気があって、緊張が増しました。打ち取った瞬間は“よっしゃー!”でした」と満面の笑みをみせた。
イチロー氏は「9番・投手」でスタメン出場すると、最速135キロで4安打17奪三振。8回に右足をつるアクシデントがあったが完封勝利した。多くの女子高校選手や指導者が、イチロー氏の147球完封に心を揺さぶられた。
「かっこいいですね。自分はフル(女子野球は7回)で投げたことないし、2回でもきつい。イチローさんは引退していらっしゃるのに9回投げて、現役時代から積み上げてきたものを感じました」
エキシビジョンマッチの後に予定されていた野球教室は、イチロー氏負傷のため質疑応答形式で実施された。それぞれの質問に対し体験談を交えて回答するイチロー氏へ真剣な眼差しを向けた。
「野球に対する姿勢がプロだなと思いました。みんなが見ているところとは違う細かいところをたくさん話してくださった。そういうところに気付ける人が結果を残せるんだなと思いました」
来年の春からは専門学校へ進学する。もちろん野球は続ける予定だ。いつか「まつりの」が日の丸を背負って立つことを87万人のフォロワーが楽しみにしている。
(喜岡桜 / Sakura Kioka)