大谷翔平の「46発100打点」は発展途上 松井秀喜氏に見る、更なる高みへのヒント
大谷の長打力が目立つ一方で…松井氏との比較で浮き彫りになる決定的な違い
・大谷翔平
409試合1400打数370安打、打率.264、93本塁打、247打点
188四球、451三振、出塁率.353、長打率.537
・松井秀喜
538試合2008打数597安打、打率.297、78本塁打、359打点
241四球、290三振、出塁率.372、長打率.485
大谷は新人時代からの2年間(2018、19年)は、登板日前後の休養やシーズン途中での故障者リスト入り、トミー・ジョン手術明けのリハビリによる離脱もあり出場機会が限定された。その影響で松井氏より130試合近く出場試合数が少ない。にも関わらず、本塁打数は15本上回っている。長打率も松井氏を大きく上回っており、大谷の長打を生み出す能力の高さが表れている。
大谷の大砲としての純粋な実力が際立つ一方で、松井氏と比べると打者としての総合的な完成度では改善の余地があるように思える。とりわけ目立つのが三振数で、松井氏がメジャー10年のキャリアでシーズン100三振以上を記録したのがわずか1度(2004年の103個)だったのに対し、大谷は今季の189三振で“大台”に3度乗せてしまっている。
打者としての価値を測る上で欠かせない打率も、松井氏はメジャーデビューの2003年に.287を記録し、4年目の時点で打率3割以上を1度記録している(2006年の.302は規定打席に到達していないため対象外)。大谷は最初の2シーズンは2割8分台をマークするも、直近2年間は.190、.257と数字を落としている。
松井氏はメジャー10年間で打率.282、1253安打、175本塁打760打点の成績を収め世界最高峰の舞台でもその力が通用することを示した。来季の大谷は、主力のトラウト、レンドンが怪我から復帰予定ということもあり、今季より相手投手から勝負される可能性は高い。課題である三振数を減らし、松井氏も認めた長距離砲の真髄を今季同様に発揮できれば、打者として更に規格外の成績も期待できるのではないだろうか。
(Full-Count編集部)