イラ立つ選手「カメラ回すな」 戦力外選手を追う人気番組が寄り添う現実と苦悩
伝えるのは“不幸”でなく“強さ”…「気づいたら、泣きながら編集作業を」
可能性が限りなくゼロに近づく状況で、気持ちは痛いほど分かった。「正直、辛かったです」。それでも、電話がかかってくる希望を捨てることはできず、取材者としてレンズを伏せることはできなかった。結局どこからも声はかからなかったが、それも現実。偽りなく、最後までもがいた選手の姿を切り取った。
決して“不幸”を伝えたいわけではない。ふと、家族のぬくもりに触れることも。コロナ禍で行われた2020年のトライアウト。スタンドでの撮影は禁止されていたため、選手の家族が撮影した映像を提供してもらった。映っていたのは、懸命に応援する子どもの姿。「気づいたら、泣きながら編集作業をしていました」と山田さんは振り返る。
人生の分岐点だからこそ、如実に表れる絆。「野球しかやってこなかったから……」と第2の人生に不安を抱く夫に対し、「ひとつのことにすごく努力してきたんだから、何でもできるよ」と励ます妻もいた。置かれた状況や家族の形は様々でも、未来へと歩を進めていく“強さ”を映し出すからこそ、支持される番組。今年も、ありのままのリアルを届ける。
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(小西亮 / Ryo Konishi)