少年野球支えるパパコーチの“卒団問題” ポニーの強豪監督が提案する解決策は?

「組織としての方針を立てれば、チームの方針もぶれなくなる」

 当然、保護者にも事情がある。羽田アンビシャスでは、武島氏が創部から17年間監督を務め、子どもの入団とともに指導するようになったパパコーチも、子どもが卒団した後もコーチとして在籍してくれているが、このような現状が容易ではないことは分かっている。パパコーチがいるからこそ、少年野球が存続できている現状も十分理解した上で、解決の糸口を探る。

「うーん、正直難しいですよね……。組織が変えていくしかないのではないでしょうか」

 提案するのは、各チームが所属している組織全体での意識統一。パパ監督やパパコーチに入れ替わりが起きても、連盟が指導について同じ方針を打ち出していれば、大きくブレることはないとの考えだ。さらに、新たに就任する新米監督の指導指針にもなり得る。武島監督は「大会を主催するだけではもったいないですよね」と、連盟とチームの深いつながりを求める。

 実際に、羽田アンビシャスが所属するポニーリーグでは、「野球は試合に出て覚える」という理念のもと、リエントリー(交代後の再出場)や、チームの中に複数のチームを作って出場できるシステムを設けている。さらには、怒声や罵声に対してはイエローカードを出すなども記載。明確になっている組織としての方針をそれぞれのチームに落とし込み、日々の指導に生かすことができる。

 現状も理解しつつ、新たな問題を提起する武島監督。根底にあるのは、野球少年の未来。子どもが迷わずプレーできる環境を願っている。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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