中嶋聡、稲葉篤紀、金子誠… 社会人名門ヘッド就任、元ハム投手が先輩から得た財産
信じて後押ししてくれた「周りの方々に恵まれて今がある」
稲葉篤紀氏(現日本ハムGM)や金子誠氏(現日本ハム野手総合コーチ兼打撃コーチ)も口を揃えたのは「準備の大切さ」だった。現役時代、自主トレをともにしていた守備の名手・金子誠氏は、毎年基本練習を繰り返していた。同学年で仲のいい宮西尚生は入団から14年連続で50試合登板を続ける。「宮西もうまくいっていても基本に戻って同じことを続けていた。凄い選手に共通するのは、地道に継続する力。それが自信になって、試合への取り組み、準備になる」。肌で感じてきた一流選手の姿も、若い選手たちに伝えている。
自身の現役時代を思い返し「コーチに迷惑掛けていたなって……。偉大さが分かりました」と苦笑いする金森コーチ。だが携わってくれた数々の指導者が、自分を信じて後押ししてくれた。「周りの方々に恵まれて今がある」と感謝は尽きない。
「野球界と会社に恩返ししたい」という思いを原動力に「野球で結果を残せて、かつ人として頼りにされる、信頼される選手」の育成を志す。「自分は野球しかやっていなくてパナソニックに入らせてもらった。だからプロ野球、社会人といい循環にできれば最高だなと思います」と青写真を描いた。
独立リーグも育成選手も経験し「いい時も悪い時もあった現役時代は今、役に立っている」と晴れやかに第2の野球人生を歩んでいる36歳。「チームに意識を浸透させて常勝チームにしていきたい」と目標を掲げ、新たなスタートを切る。
(町田利衣 / Rie Machida)