パドレスは2021年を「2度と繰り返さないこと」 米メディアが作成“新年の抱負”

パドレス・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】
パドレス・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】

各球団の現状から見た“珍指令”が続出

 米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は12月31日(日本時間1日)「MLB各球団の新年の抱負」と題する記事で、今季30球団に求められることを紹介した。それも単純に「優勝」「プレーオフ進出」といったものではなく、各球団の現状を捉えた“珍指令”の連続だ。いくつか紹介してみたい。

○オリオールズ「60勝すること」
「これは求め過ぎ? もしかしたら」とハードルを下げ過ぎているようにも思えるが、オリオールズは昨季52勝110敗でア・リーグ東地区の最下位に沈んだ。記事では「2018年が47勝、2019年54勝、2021年52勝のチームなのにうわべだけの補強もしようとしない。60勝(勝率.370)することも難しい注文かもしれない」としている。唯一の希望は球界ナンバーワンの有望選手に位置付けられるアドリー・ラッチマンだ。

○レンジャーズ「他球団のためにチーム再建の指南書を出版すること」
 今オフは積極補強で台風の目となっている。マーカス・セミエン内野手と7年総額1億7500万ドル(約201億円)、コーリー・シーガー内野手と10年総額3億2500万ドル(約374億円)で契約するなど、すでに630億円を超える大型投資に乗り出している。「並みの球団が負けが込んだ状態からどう抜け出すか、その青写真を他球団に見せられる」としている。

○ロッキーズ「ドームを建てる」
 所属するナ・リーグ西地区には昨季100勝超えを果たしたドジャースとジャイアンツの2強がおり、パドレスも積極投資に乗り出している。主力選手の流出も続き状況は厳しいとしている。なぜドームかと言えば「本拠地クアーズ・フィールドの大気の要素は投手にとっても打者にとっても地獄である」から。打球が飛びすぎる状況の改善にはこれしかないのだろうか?

○パドレス「それを2度と繰り返さないこと」
 記事にある「それ」とは2021年のことだ。オフにはダルビッシュ有投手を始めとした積極補強、シーズン最初の3か月はジャイアンツ、ドジャースの地区2強についていけていたものの最後の28試合で21敗。オフにはボブ・メルビン新監督が就任した。記事は「2022年はダルビッシュ(昨季防御率4.22)とブレイク・スネル投手(同4.20)にもっと活躍してもらう必要がある」としている。

○エンゼルス「マイク・トラウトの次の10年が最初の10年と同じくらい生産的であるように手助けすること」
 現役最強打者とも評されるトラウトは2011年のデビューからの10年間で、rWAR(勝利寄与度)74.3という「馬鹿げた数字」を叩き出しているため高いハードルだ。最近は怪我と戦うことが増え、昨季も36試合にしか出場できなかった。記事は「30代に入った彼の、信じられないほどの才能を維持するには、休養をはさむ必要もあるかもしれない」としている。

○ドジャース「デーブ・ロバーツ監督と契約延長すること」
 記事はロバーツ監督を「今の時代、これだけ勝っているのにこれだけ批判される監督はロバーツ以外いない」としている。さらに「毎年プレーオフでの彼の采配が批判されるが、それは毎年プレーオフに進出しているからだ」としている。在任6年間で5度の地区優勝、3度のワールドシリーズ進出に1988年以来の世界一にも導いた。勝率.622は歴代5位という名将を引き留めることが最重要課題だ。

(Full-Count編集部)

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