DeNAに必要な「クローザー」 ラミレス前監督が重要視する“メンタル”とは?
気になるポジション争いは「遊撃と捕手」
“盤石”の外野陣など、アクシデントがなければレギュラーは多くが昨年と同じメンバーとなりそう。その中で「争いに注目したい」とラミレス氏の言葉に熱が入ったのは、遊撃と捕手のポジションについてだ。
遊撃については「森がブレークすることはあり得るかもしれないが、現実的にはまだ育成しているところ。大和と柴田は複数ポジションを守れて使い勝手がいい」と分析。リードをしている試合終盤、ソトを下げて二塁の牧を一塁にする作戦が有効的だとした上で「そうなるとショートは初回から最後まで出てもらいたい。僕の考えでは遊撃は大和です。クラッチヒッターで、年齢もあり盗塁は前ほど積極的ではないかもしれないが、走力自体はある。やはり彼が重宝されるのかなと思います」と持論を展開した。
捕手は昨季、先発出場を伊藤光が最多の47試合、戸柱恭孝が39試合、山本祐大が33試合、嶺井博希が22試合と分け合った。ラミレス氏は「山本が正捕手になるべきだと思う。セ・リーグを見てもトップ3に入る素晴らしい肩を持っている。しかし現状では打撃面を含めてマイナスな部分も多く、毎日使うべきとは思わない」と高いポテンシャルを持つからこそ厳しい言葉を並べた。
そして自ら「戸柱に言及したい」とプロ7年目を迎える31歳の名前を挙げた。「救援陣との数字の良さ、試合をコントロールする能力を考えれば、結果を出す可能性は一番高いのかなと思います。マイナスな部分はもちろんあるが、毎日出れば2割4分~5分、10本塁打、40打点くらい打つ可能性はある。一番重要なディフェンス面で防御率3点台に収めてくれるのであれば、彼が出るべきだと僕は思います」と混戦の捕手事情をにらんだ。
「ベイスターズ、キニナルネ~」と笑ったラミちゃん。「現状では他のチームの方がプラス面が多い感じがする。ただ、ぜひそういう面を修正して、優勝争いに加わってもらえればなと思います」。在任5年間で3度のAクラス入り、2019年にはDeNA史上最高の2位に導いた男は、温かくも鋭く、古巣の戦いぶりを見ている。
(町田利衣 / Rie Machida)