通算224勝の工藤公康や173勝の桑田真澄も“無冠” 最多勝を手にしていない名投手たち
最多勝獲得数はスタルヒンの6度が最多、斎藤雅樹は5度
先発投手の勲章といえばやはり勝利数。近年はさまざまな評価方法が生まれ、勝利数が必ずしも先発投手の価値を表すものではなくなった。しかし、やはり白星は特別で、特に最多勝のタイトルは格別なものがあるのではないだろうか。ここでは通算150勝以上挙げながらも最多勝に手が届かなかった投手を紹介する。(敬称略)
梶本隆夫は阪急一筋で歴代9位の254勝を記録した左腕。高卒1年目の1954年にいきなり開幕投手を務め、20勝をマーク。3年目の1956年に28勝、翌1957年に24勝を挙げたが、最多勝には1度も手が届かなかった。
昨季限りでソフトバンクの監督を退任した工藤公康は歴代13位の通算224勝を挙げ、最優秀防御率と最高勝率を4度、最多奪三振のタイトルを2度手にしたが最多勝には縁がなかった。自己最多の16勝を挙げた1991年は、17勝の近鉄・野茂英雄の前に涙を飲んだ。
1960年に21勝を挙げて大洋(現DeNA)を球団史上初の優勝に導いた秋山登はシーズンMVPに選ばれるも、最多勝は遠かった。1978年のヤクルト初優勝の立役者で通算191勝をマークした松岡弘も最多勝は獲得できなかった。現役最多の177勝を挙げているヤクルト・石川雅規も縁がない。
巨人で通算173勝を挙げた桑田真澄も最多勝は獲得できず。沢村賞に輝いた1987年、16勝を挙げた1998年も一歩及ばなかった。桑田、斎藤雅樹と3本柱を形成した槙原寛己も同様だった。一方、斎藤は最多勝を5度手にしている。横浜一筋でプレーした三浦大輔も1998年、2005年の12勝が最高で、最多勝には縁遠かった。