「人は3か月で変われる」 明秀日立に息づく坂本勇人の“鼻ピアス事件”からの学び
4年ぶり選抜の明秀日立・金沢監督は巨人・坂本勇人の恩師
4年ぶり2度目の選抜大会出場を決めた明秀日立(茨城)には、巨人・坂本勇人内野手からの“学び”が息づいている。金沢成奉監督にとって、坂本は光星学院(現・八戸学院光星)野球部監督時代の教え子。坂本との思い出をもとに、現役の高校球児に熱く説いているようだ。
球児にとってインパクトのある学びは、坂本の“野球部退部危機”だ。1年冬。正月休みから帰ってきた坂本の鼻にはピアス。指揮官は故郷の兵庫・伊丹へ帰らせた。父親や地元の友人、チームメートの説得で1週間ほどで復帰したが、その後は目の色を変えて練習。高校卒業時に巨人からドラフト1位指名を受け、今では通算3000安打を目指せるバットマンにまで成長した。金沢監督から説かれる一流選手のエピソード。多感な球児にとっては、いい教材となっている。
武田一渓内野手(2年)「『人間は3か月あればガラッと変われる』と監督さんに言われています。坂本選手は1度辞めそうになって、青森に帰ってきてから物凄く練習してプロになったと聞きました。自分たちも何かあった時に変われるように」
猪俣駿太投手(2年)「金沢監督は坂本選手の恩師。この高校に入るきっかけになりました。金沢監督から『人は3か月で変われる』という話を聞いて、自分も意識や気持ちを高く持っていかないといけないなと思いました」
チームは昨秋の県大会を4年ぶりに制し、関東大会で初優勝。4年ぶりの選抜切符を掴んだ。金沢監督は「入学当初からポテンシャルの高い選手が揃っていたが、その反面、自分勝手な選手が多かった。チームがまとまるか不安でしたが、少しずつチームが1つになり出して試合をやるごとに強くなっていった。まさに一戦ごとに強くなりました」と語った。“坂本先輩”からの学びを胸に、今春は4年ぶりの選抜勝利、全国制覇を目指す。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)