食品工場や水産会社で食いつないだ4年間 ロッテ育成・小沼健太が無駄にしない“苦労”
阪神のキャンプで練習補助のアルバイトをしたことも
BC茨城時代の2019年、2020年には阪神の宜野座キャンプで練習補助のアルバイトをしたことも。縦縞の練習着を着て、打撃投手やキャッチボールの相手など務めた。「近本さんは、あれだけ走れて打てるのが凄いなと思いました。大山さんのパワーにも驚きました」。NPB選手のプレーを肌で感じ、自分の目指す未来がはっきりとした。
昨年のファーム日本選手権では、その阪神と激突。9回2点リードの場面で登板したが、3失点しファーム日本一を逃してしまった。「(キャンプで)バッティングピッチャーをしていた選手だけに打たれました……」と今では苦笑いするが、「いい経験、次は1軍の舞台で投げて抑えたいです」と失敗を今後に生かすことを誓う。
ロッテでは昨年、育成で1軍キャンプに抜擢された本前郁也投手が開幕前に支配下登録。昨季、2軍で10勝を挙げた森遼大朗投手も12月に支配下登録されるなど育成選手の飛躍が目覚ましい。昨季ブレークした佐々木千隼投手や国吉佑樹投手ら中継ぎの層は厚いが、割り込んでいくつもりだ。
「まだ(背番号)3桁なので、シーズン前に支配下登録されて、1軍で10試合以上は投げたいと思っているのでそこを目標に頑張りたいと思います」。2桁の背番号を勝ち取り、飛躍の1年にする。
○小沼健太(おぬま・けんた)1998年6月11日、千葉県旭市生まれ。東総工高(千葉)卒業後はBC武蔵(現・埼玉武蔵)で2年プレーし、2019年にBC茨城へ移籍。2020年の育成ドラフトで2位指名を受け、ロッテに入団した。2021年はイースタンで34試合に登板。0勝2敗18セーブでセーブ王を獲得した。背番号は「121」。身長189センチ、体重86キロ。右投げ右打ち。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)