空港職員に転身した元ロッテ助っ人 獲得を直訴した監督が回顧「最高のチームメート」

ロッテなどでプレーしたベニー・アグバヤニ氏【写真:Getty Images】
ロッテなどでプレーしたベニー・アグバヤニ氏【写真:Getty Images】

ベニー氏は04年から6年間ロッテでプレー、05年アジアシリーズでMVPを受賞

 メジャーで5年間プレーした後、ロッテに2004年から6年間在籍し通算613安打、90本塁打360打点をマークしたベニー・アグバヤニ氏は現在、故郷のハワイで暮らしている。同氏は米紙「ニューヨーク・デイリーニュース」の電話取材に答え、近況やメジャー時代の思い出を語っている。また、メッツやロッテ時代の監督であるボビー・バレンタイン氏のコメントも紹介している。

 メジャーで383試合、ロッテで660試合に出場したベニー氏は現在50歳。故郷のハワイで、ハワイアン航空の空港業務スタッフとして働いている。「フライトの特典があるからやっているんだ。子どもたちが、野球やソフトボールで遠征することが多いから、旅費をセーブしようと思って。荷物を飛行機に積み降ろしている。いいトレーニングになるよ」と語っている。

 ベニー氏は1998年から2001年までメッツでプレー。ジャイアンツと対戦した2000年のナ・リーグディビジョンシリーズ第3戦では延長13回にサヨナラ本塁打を放った。この年メッツはワールドシリーズに進出しており、記事は「彼は球団の記憶に永遠に刻み込まれた。ファンはハワイアンヒーローを一生忘れることはないだろう」と説明。ベニー氏は「一生忘れることができない瞬間だよ。スタジアムが揺れていた」と振り返っている。

 当時、メッツを率いていたのがボビー・バレンタイン氏。ベニー氏について「最初は球団の誰もが欲しがらなかったが、チームの誰よりも速く走り、素晴らしいパワーを持ち、ホームランを打つことができた」と語る。ベニー氏のロッテ入りのきっかけとなったのもバレンタイン氏の働きかけがあったから。2004年、ロッテの監督に9年ぶりに復帰したバレンタイン氏が球団に獲得を訴えたといい「最も日本に来てほしいと思った選手だった」と振り返っている。

 ベニー氏はバレンタイン氏の期待に応え、加入1年目の2004年に35本塁打を放つ活躍。翌2005年にロッテは日本一になり、アジアシリーズも制し、ベニー氏はMVPを受賞する活躍を見せた。バレンタイン氏は「私がそれまで見てきた中でも素晴らしい功績の1つだった。彼は本当に最高のチームメートでした」と称えている。

 ベニー氏は現在仕事の傍ら、高校でソフトボールを教えている。長女はカリフォルニア大学バークレー校のソフトボールチームに所属し、次女はブリガムヤング大学への進学が決定、長男はメジャーリーグでのプレーを夢見ている高校生だ。現在もハワイで注目を集める存在であるベニー氏は「私は全く気にしません。多くの人に影響を与えたと思わせてくれるから好きですよ」と語っている。

(Full-Count編集部)

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