ミス続出に苦言「思うような戦いできない」 鷹・藤本監督が求める“意識改革”
ケース打撃でヒットエンドランなどテストも一発成功とはいかない場面も
ソフトバンクは8日、宮崎春季キャンプ第2クール最終日で今キャンプ2度目のシート打撃を実施した。この日は走者を置いたケースを想定し、ヒットエンドランなどの作戦面もテスト。ただ、失敗も散見され、藤本博史監督は「もうちょっと精度を上げていかないと、思うような戦いはできない」と苦言を呈した。
藤本監督が掲げるのは「取れる時にきっちりと点を取る野球」。そのためにはバントやエンドランといった“スモールベースボール”をしっかりと成功させる必要がある。この日のシート打撃では一発で成功とはいかない場面もあり、指揮官の中では物足りなさが残った。
「サインを出しました、ファウルになりました、で、もう1回続けていくかというと考えてしまう。一発で決めて、次の打者となった方がリズムもいいし、チームの士気も上がっていく」という藤本監督。2度目で成功しても、それは真の“成功”にあらず。「一発で決めてこそ、ナイスだとみんなが拍手する。バントも右打ちも、チームのサインを一発で決められるようにやっていきたい」とチーム全体の“意識改革”も求めた。
指揮官の中で“お手本”とすべきプレーがあるという。それが昨年のクライマックスシリーズ。ファイナルステージの第3戦で決勝打となったオリックス・小田裕也外野手のバスターエンドラン。「小田のバスターってすごくいいタイミングなんですよ。引き方、引くところ、打ちに行くところも。あれを見て真似てもいいんですよ。いいものは真似ること。研究してもらいたいと思う」と語っていた。
その中でこの日光った1人がドラフト4位ルーキーの野村勇内野手だ。きっちりとエンドランを一発で決めており、藤本監督も「新人の野村はなんでもできそう。エンドランも、右打ちもうまいし、社会人でだいぶ揉まれてきているのかこれは面白い」と絶賛していた。
「打つだけじゃなかなか勝てないからね。野球は1点1点の取り合い。ケース打撃、チーム打撃を100%に近いパーセンテージでできるようになれば、いい野球ができる」という指揮官。この春季キャンプで初めて、選手たちに呈した苦言だった。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)