背水の11敗右腕が見せた“超進化” オフに球速“爆上がり”で「コールに似ている」
「トレッド・アスレチックス」の指導で100マイルを記録
このオフ大変身を見せている右腕の投球動画に注目が集まっている。昨季パイレーツで5勝11敗、防御率6.17という成績に終わった右腕ミッチ・ケラー投手はこのオフ、ノースカロライナ州シャーロットのトレーニング施設「トレッド・アスレチックス」で練習を積むことで生まれ変わった。投球動画には、軽々と時速100マイル(約161キロ)を超える場面が映し出され「(ヤンキースのエース)ゲリット・コールに似ている」との評価を得るまでになっている。
ケラーの地元、アイオワ州デモインの地元紙「デモイン・レジスター」によれば、ケラーは今オフが過去最高の状態だと感じており「自分の球を試してみるのを待ちきれないよ」とコメントしている。
2014年のドラフト2巡目でパイレーツ入りしたケラーは、球団内の投手では期待株に位置付けられていた。ジェイムソン・タイヨンらの主力投手をトレードで放出したチームは2021年、ケラーに23試合の先発マウンドを託したものの苦戦した。「ジェットコースターのようだった」とケラー自身が語るほど安定感を欠いた。
オフになると、タイヨンが使っていたトレッド・アスレチックスのオンライン指導を受けるようになった。1月末には球速が100.9マイル(約162.4キロ)に到達。指導したデビン・ヘイズ氏はケラーのボールの変化量などを解析した上で、2021年のゲリット・コールに似ていると指摘。「私の人生で、最も印象的なブルペン投球の1つだ。90マイル後半から100マイルを簡単に投げちゃうんだから」とコメントした。ケラーとは同郷のレイ(ソフトバンク)も「彼の腕はスペシャルだ」と高く評価している
ケラーは来オフ、年俸調停の権利を得る。今季の成績によって年俸の上昇も、逆に放出されることもあり得る。「大きな年になるけど、それについてはあまり考え過ぎず、ただ楽しめたらと思っているよ」。筒香嘉智とチームメートのケラー。日本のファンに名前が広まる日も近そうだ。