労使交渉5度目も合意至らず 米紙警笛、予定通りの開幕も「深刻な危機に直面」
米メディア「MLB側の譲歩が微々たるもので、選手会担当者はがっかり」
MLB機構と選手会の5度目の労使交渉が行われたが、合意には至らなかった。米全国紙「USAトゥデイ」は、スプリングトレーニングの開始遅れが極めて濃厚になっただけでなく「レギュラーシーズンの(予定通りの)開幕が危機に瀕している」と警笛を鳴らした。
労使交渉を促進させることを願ってMLBは新たに包括的な提案をしたが、選手会の代表と選手たちは納得せず、前進することはなかった。今回のMLB側の提案書は130ページにも及び、選手会側は1週間以内に対案をすることが予想されている。「しかし双方が劇的な動きを見せない限り、開幕戦を(予定通りに)行うことは深刻な危機に直面する」と同紙は見ている。
MLB側の提案では、ぜいたく税を課すチーム総年俸の限度額を段階的に上げていく方針で、最初の2年間(2022、2023年)は2億1400万ドル(約248億円)、2024年が2億1600万ドル(約250億円)、2025年が2億1800万ドル(約252億円)、2026年が2億2200万ドル(約257億円)。なお、選手会側が前回提案したぜいたく税を課すチーム総年俸の限度額は2億4500万ドル(約284億円)だった。最低年俸に関しては、MLB側は2パターンの案を出している。
米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は「今回の提案では、これまで選手たちが最も懸念していた争点を取り上げてはいるものの、MLB側の譲歩が微々たるものだったことで、選手会担当者はがっかりさせられた」と指摘。次回の会合は現時点では未定だとした。
MLB側は、レギュラーシーズンを予定通り開幕させるためにはいつまでに協定を結ぶ必要があるのかという日程について、選手たちと話し合った。具体的な日程については明らかにされていないが、マンフレッドコミッショナーが「スプリングトレーニングの期間は4週間ほどは必要と発言している」と話していたという。開幕遅れまでもが現実味を帯びてきている。
(Full-Count編集部)