球団チアがコロナ禍で抱えた葛藤と苦悩 「何のために踊るのか」から得たものとは?
求められるのは“想像力”
一方でコロナ禍がもたらしたものもあった。無観客により、様々な場面でライブ配信が行われ、dianaが取り上げられる機会が増えた。オーディションでも、通常は書類のみだった一次審査にダンス動画を取り入れた。「どんなダンスが得意なのか、あらかじめ分かったうえで審査に臨めるのは良いですね」と効果的だったという。
昨季はコロナウイルスの感染拡大も下火となり、最大で約1万6000人が来場できるようになるなど、規制も緩和された。現在はオミクロン株が拡大しているものの、今季は満員のスタンドが戻ってくるかもしれない。ただ、無観客期間を経て、チアチームに求められるものは変わったとマネジャーは話す。
「ライブ配信などオンライン上の仕事が増えてきて、たとえ満員になったとしても、直接も画面越しでもハイブリットに対応できる能力が求められますね」。中でも必要なのは“想像力”だという。「観客の反応がなくても、いかに観客の顔を想像できるかが大事になってきます」。
200人が応募したオーディション。ダンススキルや、コミュニケーション能力などはもちろんのこと、審査員も想像力を働かせる。「合格する子は、横浜スタジアムで踊っている姿が、目に浮かんできますね」。年明けに19人の合格者が発表された。
「diana」の目指すべきところは、選ばれ、愛されるエンターテインメント。野球、チアダンスの領域を超えて、YouTube、テレビなどでも輝きを放てる集団だ。コロナ禍を経て一皮も、二皮も剥けた新生「diana」が、新たなエンターテインメントで球場を沸かす。