25年前“神のお告げ”で引退の虎助っ人 蘇るメジャーでの輝かしい実績

元阪神助っ人のマイク・グリーンウェル氏(写真はレッドソックス在籍時)【写真:Getty Images】
元阪神助っ人のマイク・グリーンウェル氏(写真はレッドソックス在籍時)【写真:Getty Images】

鳴り物入りで来日も7試合で退団… 引退後には異色の経歴も

 25年前の1997年、鳴り物入りで阪神に入団し、不運な怪我であっという間に帰国した助っ人マイク・グリーンウェルを覚えているだろうか。虎党からすれば苦い記憶でしかなくとも、MLBでは12年間で打率.303、130本塁打、シルバースラッガー賞、2度の球宴選出も果たした名選手。MLB公式サイトが特集した「レッドソックス史に残る名場面」にもしっかり登場している。

 取り上げられているのは1988年9月のオリオールズ戦で記録したサイクル安打。試合も4-3と接戦での勝利だったこともあり「英雄的な活躍」と称賛されている。

 グリーンウェル氏は1982年のドラフト3巡目でレッドソックスに指名され、メジャー最終年の1996年まで“生え抜き”として名門球団を支えた。400打数以上立ったシーズンで打率.300超えは5度、一方で三振数は最も多かった年でも46個と、シュアな打撃が光った。記事では殿堂入りする程のレベルではなかったにせよ「かなりの結果を残した選手」と評されている。

 メジャーでは確かな実績があっただけに、期待を膨らませた阪神ファンは大物助っ人の“結末”に困惑したことだろう。春季キャンプで背中を痛め、ようやく復帰したと思えば1週間で足を骨折。「野球を辞めろという神のお告げがあった」という“迷言”と共に引退を決断した。7試合出場で26打数6安打5打点、打率.231で、グリーンウェル氏の日本でのキャリアは幕を閉じた。

 帰国したグリーンウェル氏は引退後、野球とは離れ異色の生活を送ることになった。「ベースボール・リファレンス」によると、故郷フロリダでアミューズメントパーク「Greenwell’s Bat-a-Ball and Family Fun Park」を経営し、レーサーにも挑戦したとされる。

 バースやマートン、オマリーら、MLBでは本領発揮できなかったのが阪神で花を咲かせ、甲子園を沸かせた助っ人も多い。一方でグリーンウェル氏のように、大物として来日するも期待外れに終わることもある。チームの浮沈を握る“助っ人”の成功は、決して米国での実績だけでは測れない。

(Full-Count編集部)

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