日本ハム右腕が“いきなり”アンダースローに転向 新庄監督が与えた「きっかけ」とは
ロッテとの練習試合で8回から登板して3者凡退に封じた
日本ハムの鈴木健矢投手がアンダースローに転向した。19日に沖縄・名護で行われたロッテとの練習試合で8回から6番手で登板し、1イニングを3者凡退。新庄剛志監督のアドバイスにより腕を下げた新フォームで、上々の再スタートを切った。
前クールの練習中、サイドスローで投げていた鈴木健はビッグボスから突然「(打者から)見やすくなっているから、ちょっと見づらくしない?」とアンダースローを勧められた。
JX-ENEOSから2019年ドラフト4位で入団して3年目の今年は勝負のシーズンだ。昨年は21試合に登板も防御率は4.19。指揮官の言葉に「今かなと思って。変えるのは凄く勇気がいる。1つの引き出しとしてやってみました」と挑戦することを選んだ。元ロッテ・渡辺俊介氏の映像を見て研究も行った。
打者を相手に投げたのはこの日が初めて。ぶっつけながら先頭の池田から137キロで見逃し三振を奪った。「自分なりにバッターのタイミングも外せた。意外と投げられるなというか、バッターにスイングさせてなかったんで良かったかなと思う」と手応えを掴んだ。
武田勝投手コーチも「このキャンプで変えるっていうのはすごく勇気のいることだと思います。その中で結果を求めて、今年に懸ける意気込みが本当に伝わってきました。フォームを変えたら使っている体の筋肉とか疲れは変わってくるので、それも含めながらしっかりアンダースローというのを求めていってほしいなと思います」と期待を寄せた。
まだ完全にフォームが定まったわけではないが「今ので固めていこうかなとは思っている。まずはフォームとか腕の高さの位置の安定を目指してやっていきます」と鈴木健。球界では希少なアンダースローとして、開幕1軍入りへのサバイバルを勝ち抜く。
(町田利衣 / Rie Machida)