「いい顔をしている」 楽天石井監督が全幅の信頼、絶対的守護神の存在感
昨季は防御率0.63も、故障で8月下旬にレギュラーシーズン終了
石井一久監督も「いい顔をしている。去年の今頃は救援に戻って試行錯誤しているように見えたが、今年は何かに追われるような危機感もない」と全幅の信頼を置いている。
昨年は抜群の安定感でチームの躍進を支えたが、8月25日の練習中に右太ももを痛め、早々とレギュラーシーズンを終えてしまった。それだけに今季は「60試合登板と防御率0点台」を目標に掲げる。驚異的な数字に聞こえるが、松井裕自身は既に19歳で迎えたプロ2年目の2015年に達成したことがある(63試合3勝2敗33セーブ、防御率0.87)。昨年もそのままシーズンをまっとうすれば、60試合を超えるペースだった。
キャンプ4日目にはブルペンで、クローザーとしては異例の106球のピッチング。「野球が下手なので数を投げないと」と自嘲的に笑うが、このあたりにも規格外のスケールの大きさを感じさせる。
楽天はちょうど1年前、田中将、岸、涌井、則本ら豪華な先発投手陣が注目されていた。しかし、ふたを開けてみれば、松井裕をはじめ宋家豪、酒居、安楽らの奮闘で、リリーフの防御率が12球団トップの2.75を記録。チームを牽引した。今年も9年ぶりのリーグ優勝を狙う上で、鍵を握る存在となることは間違いない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)