「SNSはプロ野球選手を殺せる」 “殺害予告”被害を公表…リスク承知も見過ごせぬ惨状

昨年11月の契約更改後の会見で被害を告白した中日・福敬登【写真:共同通信社】
昨年11月の契約更改後の会見で被害を告白した中日・福敬登【写真:共同通信社】

未来を担う選手たちのためにも「今この段階で行動すべきだと思った」

 ファンあってのプロ野球。それは身に染みて理解している。いい試合や頼もしい姿を見る人に提供するサービス業の一面もあると思っている。“お客様は神様”。とはいえ「お互いにリスペクトがないと成立しないと思うんです」。届ける側の責任と、受け取る側の感謝。プロ入り前、JR九州で駅員業務に携わっていたからこそ、余計に思う。

 多くのメディアが集まる契約更改後の会見を選び、敢えて言葉にした被害の数々。「めちゃくちゃリスキーだとは思いました」。中傷が激化したり、実際に危害を加えられたりする危険性もゼロではない。自分のためだけなら、きっと思いとどまっていた。ある試合でミスをした後輩が辛辣なコメントに表情を失った姿を見たからこそ、決断できた。

「若い世代になればなるほど、SNSが生活に入り込んでいる。もしこの状態が続けば、精神的に限界が来て野球ができなくなる子が出てきてもおかしくない。今の中高生だって、誹謗中傷で溢れる記事のコメント欄を見てプロ野球選手になりたいと思ってくれるのかって。SNSは、プロ野球選手を殺せる威力を持っているツール。だから、今この段階で行動すべきだと思いました」

弁護士を通じて被害を告訴、侮辱罪で立件される可能性も

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