「日本一になれると思うんです」 日本ハム変化の象徴“執念先輩”が声を出すワケ

日本ハム・新庄剛志監督の隣で声を出す“執念先輩”こと今川優馬(左から2番目)【写真:荒川祐史】
日本ハム・新庄剛志監督の隣で声を出す“執念先輩”こと今川優馬(左から2番目)【写真:荒川祐史】

淡々とは終わらない…キャンプでビッグボスが仕掛けた様々な“革命”

 日本ハム現役時代の新庄剛志は、なかなか報道陣に口を開かなかった。取材に応じるのは、まれに上がるヒーローインタビューの後くらい。広報から届く「〇〇打法」と名付けられた本塁打コメントは面白かったが、その野球観に触れる機会はほとんどなかった。どこか謎めいたイメージが、時に残すコメントに重みと、希少価値を持たせていたのかもしれない。

 それが昨秋、監督に就任すると、野球についても大いに語るようになっていた。3年連続5位のチームを、“ビッグボス”はどう変えるのか気になった。戦力不足より、もっと大きな課題があるように見えていたからだ。年末年始、テレビに出ずっぱりだった指揮官は、一方で「キャンプは選手が主役だから」とも言った。何が見られるのだろうと思い、日本ハムがキャンプを張る沖縄県名護市を7年ぶりに訪ねた。

 驚かされっぱなしだった。動きについていくのがやっとだったと言ってもいい。初日は2軍視察からスタートし、第1クールは2軍を見た日のほうが多かった。タレントで、元陸上十種競技の日本王者・武井壮さんを臨時コーチに呼んで体の使い方講座を開き、元阪神の赤星憲広氏には野手だけでなく、投手、捕手への講義も依頼。走りにくいバッテリーについての意識付けをさせた。かつては全体練習の短さが大きな特徴で、どこか淡々と進む印象のあった日本ハムキャンプでは、新庄監督の起こす出来事一つ一つが“革命”だった。

 昨季までの常識は、一切取り払われた。「レギュラーはいない」「みんな横一線」と言われ続け、実際に2軍を見に来る、声もかけられるとなれば、選手もその気になる。控えという位置しか見えていなかった選手も、目の色を変える。

 キャンプ初日、育成から支配下となって2年目の宮田輝星外野手は言った。「派手な人を好んで使うのかなと思ったら、全然違った。野球に向かって真摯に取り組んでいる選手、マジメにやっている選手を、平等に見てくれている」。新庄監督自身も、ドラフト5位入団から成りあがっている。誰もが小さなきっかけで、スターになれる。変われる瞬間を逃すな。そんなメッセージを送っているのではと感じた。

慣れない打順と守備位置で生まれる「集中力」と「一体感」

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