「一体いつになれば野球を見られるのか」 重鎮記者がコミッショナーを痛烈批判

MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏【写真:AP】
MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏【写真:AP】

“予定通り”開幕への交渉期限あとわずか 妥結できないのは機構側の問題?

 メジャーリーグは労使交渉のもつれから、もう3か月近くロックアウトが続いている。キャンプインすらできず、予定通りの開幕が危ぶまれる状況に米メディアも批判を強めている。スポーツ専門メディアの「ジ・アスレチック」は、コミッショナーのロブ・マンフレッド氏の働きぶりを「一体いつになれば野球を見られるのか」と痛烈に批判している。

 記事はメディア界の重鎮ケン・ローゼンタール氏によって書かれたもの。レギュラーシーズンを予定通り3月末に開幕させるなら、2月28日(日本時間3月1日)の妥結がリミットに設定されている。ただMLB機構と選手会側は妥協点を全く見いだせずにいる。

 記事は「悪役を演じているマンフレッドが、突然“白馬の騎士”に変わる気がないのなら、4月に野球を見ることはないかもしれないし、いったいいつになれば野球を見られるのかわからない」と、コミッショナーが30球団のオーナーをまとめきれていないことが、解決を遠ざけている原因であるとしている。

 もちろん、各球団の立場は様々だ、市場の大きな球団も小さな球団もあり、コミッショナーは「利害の異なるすべてのオーナーたちの希望を満たさなければならない」のが仕事だ。この記事は前任者のバド・セリグ氏を「オーナーたちの利害を合意に導く能力に長けていた」とする一方で、マンフレッド氏については「選手をピリピリと刺激するような物言いと行動で合意を築いてきたために、1994年オフからのストライキ以来見たことがないほど、選手たちを結束させる結果になった」。強権的な手法が選手の反発を招き、交渉が進まない原因だと指摘している。

 これまでのメジャーリーグの労使交渉では、機構と選手会の双方を非難する声がファンから上がっていた。ただ記事によると、今回は様相が違うという。「通常は意見が分かれるファンも、今回はマンフレッドを軽蔑し、ほとんど全会一致で選手たちを支持しているようだ」と、機構側、オーナー側への批判が集まっているとする。

「過去の労使協定では、ファンは一般的に選手を非難しがちだった。プレーにより報酬が支払われるのは幸運だと言っていた。しかし現在多くのファンは、オーナーが選手よりもはるかに裕福なことを知っている。そして、マンフレッドが公に口を開くたびに、事態は、悪化の一途を辿っている」

 2月は間もなく終わる。果てしなく遠くに見える“予定通りの開幕”は、叶うのだろうか。

(Full-Count編集部)

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